エピソード2 元姫、魔法について学ぶ。

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「さっ、暗い話はここまでにしてデザートにいくっすよ~? ギャタピーのムースっす」 全員がサラダを食べ終わり、入れ替わりで運ばれたのはデザートだった。 ワイングラスに白っぽいムースが入っており、そこに刺すようにしてギャタピーの頭と尻尾を模したクッキーが刺さっている。 「これは……一体……」 ヨドが困惑するなか、ジュドーがクッキーをつまんでバリバリ食べ始めた。 「ヒレが入ってるな、このクッキー」 「ヒレが……」 ヨドがまごまごしている間にも、ルクソニアやリーゼンヘルクがクッキーに手を伸ばし、口にいれている。 「このクッキー、パリパリして美味しいのよ?」 ヨドは恐る恐るクッキーに手を伸ばし、ムースをクッキーですくって口にいれた。 「なるほど……。 ギャタピーの味がする……!」 真面目な顔でそう言うヨドに、エドガーは吹いた。 「そりゃそうっすよ、ギャタピーの身をムース状にしたデザートなんっすから。 他になんかこう、感想はないんすか?」 ヨドは目を見開いていった。 「ギャタピー感がすごい……!」 「ヨドさんの語彙力が消えた……!」 ケラケラ笑いながら突っ込むエドガーに、ルクソニアは頭に?マークを浮かべてヨドに聞いた。 「ヨド、ギャタピーのムース、嫌いなの?」 「嫌いではない」 ヨドは強がった。 「デザートと言うより、おかず感がすごいな」 クッキーを頬張りつつ、ジュドーが言った。ジュドーはムースを一気に流し込むと、ごくりと勢いよく飲み込む。 「デザートと思わなければ、美味しいっちゃあ美味しいぞ」 と笑顔で言うジュドーに、ヨドも同意した。 「そう、デザートと思うからダメなんだろう。デザートだと思わず、ギャタピー料理だと思えば美味しいと言えなくはない」 言いながら青い顔をしつつ、クッキーを頬張るヨド。 「無理はしなくて良いっすよ、ヨドさん」 ちょっと気の毒に思ったのか、エドガーが気を遣って言った。 「気遣いは結構。これしきのこと、何ら問題はない」 言ってヨドは、スプーンでグラスの中身を混ぜたあと、グラスをぐびびとあおり、ムースを一気に口の中へと流し込むのだった。
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