エピソード2 元姫、魔法について学ぶ。

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全員の食事が終わったあと、エドガーが食堂を退出しようと出口に向かって歩を進める。 その背にルクソニアが声をかけた。 「エドガー、どこにいくの?」 声をかけられ、ドア前でクルリと身を翻してエドガーが答える。 「レターセットを取りに、執務室まで行こうかと。どうしたんすか~? 俺がいないとさみしいんすか? お嬢様」 ニヤニヤしながら言うエドガーに、ルクソニアは光のない眼を向けて言った。 「エドガーは転移魔法が使えるんだから、それを使えばいいのに、わざわざ徒歩で移動しようとしてるから気になっただけよ」 ルクソニアの返答にエドガーは眉をハの字にし、それを見たリーゼンベルクとアンは肩を震わせた。 「……すぐ戻るっすから、待っててほしいっす。ちなみに転移魔法は魔力切れで、今日はもう使えないっすよ、誰かさんを探すのに魔力をたくさん使ったっすから」 ルクソニアは言葉をつまらせた。 「……うっ。それは悪かったと思っているわ、こう見えても反省はしているのよ」 エドガーがジト目で言った。 「本当っすか~?」 上目づかいでエドガーをにらむ、ルクソニア。 「本当に本当よ! とーっても反省してるんだから!」 「だったらもう急に思い立っていなくなったりしないで下さいね、お嬢様。 俺の寿命がいくらあっても足りなくなるんで」 「わかってるわよ、もう。 今後は急に思い立って、どこかに行ったりはしないわ」 「約束っすよ、お嬢様」 エドガーは小指をたてて、ルクソニアに向けてウインクを飛ばした。 「じゃあ、超特急でレターセットをとってくるっすよー。それまで暫しご歓談を」 言ってエドガーは扉の外へ消えた。 それを見送ったあと、ジュドーがぼやく。 「ご歓談をっつってもなー。 このメンバーで話すことと言えば、王立選の事か、明日の試合の事か、ギャタピーの事について話すくらいしかできねぇだろ。 ……何について話す?」
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