エピソード2 元姫、魔法について学ぶ。

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ヨドが言った。 「これも良い機会だ。王立選の事について、それぞれ意見の交換をするのはどうだろうか」 「みんながどう考えてるか話すってこと?」 ルクソニアがこてんと首を傾けて聞く。 ヨドは静かに頷いた。 「折角だからここらでいっちょう、アピール合戦と行こうってか。(せわ)しないねえ」 リーゼンベルクがクックと笑う。 「ヨドは平和な世界を作ろうとしてるのよね、青の王子さまと一緒に」 ルクソニアがキラキラした目でヨドを見て言った。 そこへジュドーが割り込む。 「ご令嬢。理想だけでは事を成さないぜ? ヨド殿の言葉を鵜呑みにして、なんでもかんでも信用するのは愚の骨頂だ。 誰だって耳障りの良い言葉ならいくらでも言えるが、実績が伴わなければ詐欺師と同じ。ヨド殿はその辺り、具体的にどう動く腹づもりでいるのか、教えてもらおうか」 「具体的に……そうだな。 まず勘違いしないでほしいのは、私とて、すぐに戦争がない世界にできるとは思っていないということだ。戦争を終結させるには、それなりのリスクを取らねばならないことも理解している。その上で我が陣営は、この国に眠っている有用な人材を活用し、戦争を終結させるための交渉をしようと考えている」 「この国に眠っている有用な人材ってなんだ? それを使って、今さら黄の妃の故郷(エリーゼ)と交渉なんて、逆立ちしたってできるわけないだろう。 それとも、停戦している青の妃の故郷(シュトーレン)との事を話しているのか?」 ジュドーが首を捻る。周囲の視線がヨドへと集中した。 ヨドは静かに息を吸うと、言った。
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