エピソード2 元姫、魔法について学ぶ。

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「もちろん、両方だ」 「両方!? 今、両方って言ったか?」 ジュドーは思わず席をたち、ヨドの両肩を掴んだ。 「ずいぶんと大きく出たなァ。お前さんはあれかい? 未来が見えるから、そんな大層な事言えるのか、それともその有用な人材とやらがすごいから、そんなことが言えるのかい?」 ヨドを見据え、値踏みするような視線をおくるリーゼンベルク。 「そんな人材、いたらとっくにうちの陣営に率いれてるぜ! いないから魔獣軍を作ろうって話にうちはなってるんだし。 やっぱり青の陣営は口先だけで信用ならないな!」 ジュドーはドンとヨドの肩を後ろへ押しやるようにして手を離し、息巻いた。 「それはただ単にあなたたちが見つけられなかっただけだ。優秀な人材を、魔力量が少なかったり獣人だからと、はなから検討もせずにスルーしていただけだろう」 「いくら有能でも、無能力者や獣人を戦争に駆り出すのには、俺は抵抗がある。慈悲があるからな。 そんな面子で軍を組んだら、下手したら壊滅するぞ。勝てるわけがない!」 ヨドはふわりと微笑みながらこう返した。 「勝ち負けから遠ざかり、交渉のテーブルにつくのが我々のやり方だ」 「その交渉のテーブルにつかせるのが難しいんだろうが!」 ドンとテーブルを叩くジュドー。 ヨドと睨みあっている。 「きっと、交渉のテーブルにつかせる方法がヨドには見えているのよ! ねえ、ヨド。そうでしょう?」 ルクソニアがキラキラした眼差しでヨドに尋ねた。 ヨドは少し困ったように微笑んだ。 「それに関しては、まだ、道半ばだ」 「ってぇ事は、確実な方法がある訳じゃあねェんだな?」 ヨドの瞳の奥を見据えて聞く、リーゼンベルク。 ヨドは静かに頷くと言った。
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