エピソード1 元姫、森でイケオジと出会う。

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「やるじゃねぇか、先生! さっすが国立魔法学校卒のエリートさんだねぇ! この絶望的な状況をひっくり返すたあ、見上げたもんだ!」 筋肉もりもりな庭師が、エドガーの背中をバシバシ叩きながら豪快に笑う。エドガーは背中を叩かれた反動で前によろめいた。 「それ、痛いっす」 ヒリヒリする背中をさすりながら、筋肉もりもりな庭師を迷惑そうな目でにらむエドガー。 「ははっ、悪い、悪い」 片手をあげて謝る筋肉もりもりな庭師。物理では彼に敵わないエドガーは、それ以上文句を言うことをやめた。賢明な判断である。 「じゃー早速今から地点Aにゲート開くんで、アンさん、ちょっくら行ってパパーっと魔法で周囲の状況、探索して来てもらっていっすか? ゲートは開けたまんまにしとくんで、終わったらここに戻ってきてほしいっす。 アンさんが持ち帰ってきた情報を元に、それぞれ目標物がある場所を割り振ってくんで、アンさん以外の人は、その目標物が何かを確認しにいってほしいっす。 俺の転移魔法は出口をあらかじめセーブしとかないと使えないタイプだから、目標物に一番近いゲート開けるっす。そっから先は自力で目標物まで歩いてってください。 で、目標物が魔獣だったらスルー、お嬢様だったら捕獲する方向で。 確認組のゲートも片手が入るサイズに縮小して開きっぱにしとくんで、確認終わったら戻ってきて、ゲートに手ぇ突っ込んでピースサイン振ってほしいっす。気づいたら通れるようにするんで」 エドガーの指示に、お団子頭のメイドが疑問を投げた。
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