エピソード1 元姫、森でイケオジと出会う。

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ヨドは儚げな微笑みを、ルクソニアに向けた。 「そう、皆も思っていた。 虹の王も彼の活躍を期待し、ドンドン戦場へと送り出した」 ルクソニアはしゅんとしながら、ヨドをみた。 「それは少し可哀想ね」 ヨドはルクソニアに優しく微笑みかけた。 「ルクソニア嬢。 黄の王子が、大人しく戦場へと赴くとでも?」 「お……赴かないの?」 ルクソニアは窺うように、ヨドをみた。 「それはとてもよく、脱走した。 行軍の途中で脱走し、す巻きにされて、荷物と一緒に荷台で戦地へ運ばれたこともあると、耳にしたこともある」 ルクソニアは衝撃の事実に、意識が飛びそうになった。 ヨドはとても良い笑顔で、ルクソニアに聞いた。 「他にも黄の王子には表には出せない数々の逸話があるのだが、話した方がいいだろうか。ルクソニア嬢」 ルクソニアは頭に手をおき、青い顔をして言った。 「聞きたくないわ。 もうお腹一杯よ、ヨド。 どうしてそんな黄の王子さまにつこうとする貴族がいるのかしら」 「それは先ほども話に出てきた、利害関係が絡んでいる」 ルクソニアは、目をぱちくりさせてヨドをみた。 「利害関係……?」 「黄の王子の母親・黄の妃は、今現在戦争をしている国の姫だ。 彼を王座につけ相手国に停戦を申し込みたい穏健派や、バカな黄の王子を利用して甘い蜜を吸いたい悪い貴族らが、彼のまわりに群がり王にしようと目論んでいる。 そしてそれら有象無象を裏で操っているのが、黄の妃だ」 ルクソニアは真剣な目で、呟いた。 「黄の妃……」 「そう、黄の妃だ。 彼女は非常に頭が切れる。 黄の陣営が日に日に勢力を拡大しているのも、彼女が裏で暗躍しているからだと言われている」
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