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「ただいま。」
店の扉を開けてカウンターに回り込み、母さんに声をかける。オムライスを作っている母さんはフライパンから目を離さずに話しかけてきた。
「早かったわね! お昼は食べたの?」
「うん、みんなで食べてきた。」
店の席は殆どが埋まっている。もう4時前だが、この様子では後1時間ぐらいは忙しいだろう。いつもならば、ここで手伝いを申し出るところだけど、今日はしたくなかった。
「手伝いが欲しい時はメールして。」
そう言い捨てて家に続くドアを開け、自分の部屋に引き籠った。
『裕次郎さん……!』
ベッドに横になって天井を見つめながら、裕次郎さんに会った時のことを思い出す。
『必ずまた会いにくる。絶対に。だから……待ってて……。』
待ってて、裕次郎さんはそう言った。だから待っていたのに……! 何で来ないんだ? いつまで待ってればいいんだ? 「こういち」という人を見た時、絶対間違いないと思った。やっと会えた……そう思ったのに……。
俺は限界だった。起き上がって押し入れの奥に仕舞い込んだダンボールを取り出す。買った時に一度だけ確認しただけで封印していた中の物を取り出し、カーテンを閉めると服を全部脱ぎ捨てた。
ローションを右手の指につけて中を探る。あの時以来、ローションを使うようになった。滑りが良くなって、今までより奥まで刺激することができる。俺のいい所を押すと、待ちきれなかったようにすぐに俺の分身から蜜が溢れてきた。あの時のように……舐めてほしい。「気持ちいい?」って聞いて……。
「はあっ……裕次郎さんっ!」
左手に持っていたディ・ドを咥える。とても弾力があって硬い。通販で届いてすぐに押し入れの奥に封印した物……。届いた時には買った事を後悔した。浅ましい自分が耐えられなかった。使うつもりはなかったのに……。
『荷物届いているわよ。何買ったの?』
そう母さんに問いかけられた時、何て答えたんだっけ……。あまりにもテンパってて覚えていない。真っ黒なディ・ドにローションを垂らして恐る恐る自分の後ろに入れてみる。やはり、裕次郎さんのモノとは違う。もっと大きかった……。あの時は裕次郎さんのモノをじっくり眺める暇は無く、大きさなんて分からなかった。でも、このぐらいかなと予想を立てて購入した。
ディ・ドのスイッチを入れてみる。俺の中で頭を回したりくねらせたり不規則な動きをし始めた。
『真人……ここだろ? 突いてほしい? それとも擦る?』
あの時の声が甦る。
「擦って……。」
あの時のようにおねだりをする。
『真人、好きだっ』
ディ・ドが俺のいい所を刺激するのと同時に、ゆう……の声が聞こえた。
「……ゆう……さん!!」
俺のモノを無意識に握っていた手の中に精液を飛ばし、脱力した。
「はぁ、はぁ、はぁ……ゆう……早く……来て。」
俺の中に入っているのはゆうではない。俺がイッても刺激をやめないそれに……涙が流れた。
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