12.

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早朝のビーチにはちらほらと地元のサーファーが居るだけで人は少なかった。 相変わらずどんな波も乗りこなす葭弥を眩しそうに目を細めて見つめながら真人は腰まで海の中に浸かっていた。 仕事に行く前に葭弥は海へと出るのが日課で真人も一緒に付いて来ていた。 彼が仕事中は一人で海で過ごし、仕事が終わる頃に待ち合わせてアパートへと戻る。 葭弥は母親の教育で料理が上手かったから食事はほとんど部屋で済ませた。 相変わらず眠る時は別々だったが真人はそれで満足だった。 精神的な繋がりを葭弥とは実感出来たから。 想いを告白されてはいなかったが黙って自分を受け止めてくれた事だけで真人には十分だった。 このまま二人で暮らしていけるのなら、そう望まずにはいられない程に日々は穏やかに過ぎていった。
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