12.

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一人部屋に取り残された真人は床にへたり込んだままだった。 拒まれた自分の告白にただ涙が零れた。 自分の居るべき場所は一体どこなのか?自分はどこへ帰ればいいのか? 真人には何が一番良いことなのか分からないでいた。 何も持たない自分には選ぶ権利すらないのだろうか? 過ぎる慎太郎の顔は笑顔だった。 彼を選ぶことがすべて上手く行くことなのは分かっていた。けれど答えを出せないのはあの日切れたネックレスを忘れられないから。 もう、あの頃の慎太郎は戻りはしないと直感で感じ取ってしまったから。 総てを話せば葭弥は自分を受け止めてくれるだろうか? 自分の苦しみを分かってくれるだろうか? この体を抱き締めてくれるだろうか… 玄関のドアが開いたのに気付き真人は顔を上げた。 総てを葭弥に打ち明けようと決心し、彼を待った。 開かれたドアに真人は言葉を失った。戻って来たのは葭弥ではなく慎太郎だったから。 「慎太郎…」 驚き過ぎて名前しか出てこなかった。 真人を見つめたままドアを閉めた慎太郎は鍵も掛けた。 土間から上がり、床にへたり込んでいる真人の前に立った。 「二週間も自由にさせてやったんだ。そろそろ戻って来ても良い頃だろう?」 「何で…?葭弥は知らないって言ったって…」 真人は来ていないと慎太郎からの電話で答えたと確かに葭弥は言った。 慎太郎は真人の言葉を一蹴するように笑った。 「俺が信じると思うか?お前がこの地に一人でたった一晩だけでも生きていけるワケがないのは俺が一番分かってるんだよ」 目の前に垂らされたのはチェーンを直されたあのネックレスだった。 「ちゃんと直してもらった。俺からのプレゼントだからな」 真人は慎太郎の手を叩き払うとネックレスが床に転がった。 反抗的な真人の態度に両肩を掴むとベッドへと押し倒す。 「離せよ!」 わめく真人の口に外したネクタイを詰め込むと真人は苦しさに目に涙を滲ませた。 剥ぎ取るようにズボンと下着を脱がされ露になる下半身。膝を抱えられ電灯の下に曝された。 「葭弥には今夜は帰るなと言ってる。仲直りの邪魔をされちゃ堪らないからな」 外で葭弥が出会ったのは真人を迎えに来た慎太郎だった。 真人から事情を聞いていなかった葭弥を慎太郎は言葉巧みに誤魔化し部屋には戻るなと頼んだのだった。 唾液で湿らせた四本の指を揃えて秘部を強引に開かれると真人はこもった叫び声を上げた。 「葭弥が関係は持ってないって言っていたのは本当だったみたいだな」 乱暴に内部を刺激されて痛みしか伴わない行為なのにすでにそこは異物の侵入を排除するべく粘液を零し始めていた。 まだ潤いが足りないそこに慎太郎は手っ取り早く自分自身を扱き射精した。 白濁した汚液にて濡らされたそこに間髪入れずに太い熱棒が挿し込まれる。 ベッドの縁に掴まり真人は必死に堪えた。 「たった二週間でもう処女みたいにきつい。また馴らしてやらないとだな」 慎太郎の卑猥な言葉での辱めに真人は泣きながら彼の行為を受け入れるしかなかったのだった。
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