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目が覚めた。
「顔、見損ねた…でも…」
気になる…何でだろう?
あ……
「…双見に似てるんだ…」
謝らなきゃ…きっと双見が気がかりだから、顔を見たことないあの子が少し似てる気がしたんだ…
「双見は休み?」
今日は双見が学校に来ていない。クラスメートはなぜか、僕を見て気まずそうにしていた。
「…双見ちゃん、昨日魚住くんに話があったみたいだけど…」
「え……」
双見、昨日はそんな素振り…
「魚住くんて双見ちゃんの言う通り、ボーッとしてる…それに鈍感。」
苦笑して言われた…。
休み時間、携帯に連絡しても返事は来ない。メッセージも読まれない。前に双見に無理やり渡された番号だ。
みんなに囲まれていつも元気な双見が…。
僕は放課後、家の近くまで行ってみることにした。大体の場所は前に本人が言ってたけど…会えなくても仕方ない。でも気になって…
電話は出ない。
『具合悪いの?話したいことがあるんだ。無理はしなくていいから、読んだら返事ほしいな。』
そうメッセージを送ってから双見が住んでいるらしい近くに向かった。
僕からしても少し強引だったかもしれない。でもなんだか、双見は元気でいる気がしたから。
「あれ…?」
双見の家の近いところにある、小さな公園に誰かいる。
もう夕方も過ぎて暗い。小さい子なんかはいないはずの時間に…女の子?街灯そばのベンチに下を向いて座っている。
白っぽいワンピースに長いストレートヘアー…
「どうしたの…?」
僕が見た夢と同じ姿の女の子…ドキドキしながら声をかけると、その子はゆっくりと顔をあげた。
「えっ…魚住……?」
「双見…!なんでこんなとこにっ、こんな時間に!?」
今日学校を休んだはずの双見。
「…。」
双見は気まずそうに僕から目をそらした。
「今日休んだじゃん!心配してたんだよ!?星宮に聞いたら話したいことがあったみたいとか言うし!こんな暗いとこに…」
「…魚住が……」
双見は泣きそうな顔で言った。僕はそれを見て、少し心を落ち着かせて言った。
「…僕が何…?」
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