2020 3/31

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 人の歴史は感染症との戦いの歴史。という世界史の著者。W・H・マクニールの言葉を実感する日が来るとは正直思わなかった。  そう。例のコロナウィルスである。中世に猖獗を極めたと言われるペスト禍のように、世界中に広がりつつあるこの禍は、それによる感染症もさる事ながら、これ程までに実体経済に影響を及ぼす事になろうとは…  四十数年生きてきた中で、今の空気感に近いのは、サブプライムローンが破綻して数ヶ月後位の感じで、それから一年後位に日本で言う所の所謂リーマンショックが発生する訳なのだが。  振り返ればあの時代は、金融至上主義のマイナスの煽りを受けた結果、実体経済の動きも鈍るという感じだったが、このコロナウィルスの騒動が起こる前の実体経済は、そう悪くなく、特に今年はオリンピックだった事もあり、良い悪いで言えば良いという事になる筈だったのが、現時点ではその流れは止まってしまった。  人の動きが止まれば物の動きも止まる。生きていく上で必須となる生活必需品はともかく。海外の外出禁止令、日本は今の所自粛要請に留めてはいるが、この状況下であればその必要最低限の部分にしか金が流れず。かといってちょっとしたバブルが起こる程の金が流れる事も無く、それ以外の所に今まで流れていた金が流れなくなれば、必然的に景気が悪くなる事は誰でも解るが、その主たる原因が感染症になろうと予想出来た者は極々僅かだろう。
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