第18話 後処理

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18時。 ゆきなが冷蔵庫の中からわずかに残った全ての猪肉を取り出す。冷蔵庫の中にはまだ肉があったが、それはあの大男の体の一部である。とても今は肉を食べる気分では無かったが、もう普通の食料はこれしか無い。ゆきなは焼いた肉を皆に配る。皆も同じ気分なのだろう。なかなか猪肉に手を出そうとはしない。太一以外は。この時ばかりは太一の食欲が羨ましかった。だが、結局は食べないといけない。生き延びる為に。1時間程で全ての猪肉は消えて無くなった。 21時。 サチュレーションより一日ぶりに要望品を書く紙が贈られて来る。もはや食料以外に要望する物が思いつかない。が、食料はことごとく拒否される。皆で話し合った結果、衣服にした。返り血で真っ赤に染まった服を着替えたかった。他のメンバーもそれは同じだったのだろう。案外揉めることなくすんなりと意見が通った。 その後、今日は皆疲れたのか、いつもより数段早めに各々の部屋に戻り就寝した。
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