第13話 秀才の考察

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ーーある者の記憶ーー 小学生の頃、金魚を飼った事があった。 少し大きめの水槽に、1匹の金魚。 優雅に泳いではいるものの、1匹なのでどこか少し寂しそうだった。 可愛そうだったので、次の日買った金魚をもう1匹入れた。 2匹とも仲良く泳いでいる。 3日目、さらにもう1匹入れる。 まだまだ水槽に余裕がある。 4日目、さらに1匹追加。 最初の3匹は相変わらず一緒に固まって仲良く泳いでいたけど、今日投入した金魚は常に水槽の端の方で泳いでいた。 5日目も、6日目も1匹ずつ増やした。 だんだんと賑やかになってくる水槽。 よく見ると1匹の金魚が、特定の金魚だけを追いかけ回していた。 縄張り争いだろうか? 7日目も、8日目も1匹ずつ増やした。 7日目に入れた金魚は他の金魚より遥かに大きかった。 7日目の金魚は全ての他の金魚を追いかけ回していた。 ちょっと数を増やしすぎたか? 水槽の中は完全に飽和状態になっていた。 それから・・・どうなったんだっけ? あ、そうそう、毎日餌やるの、めんどくさくなってきたんだった。
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