第14話 予期した裏切り

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第14話 予期した裏切り

17時。 ようやく猪を解体し終えた。お世辞にも綺麗に捌けたとは言えないが、ある程度の肉の量は確保出来た。裕二と太一は後片付けをする。猪の毛皮、グロテスクな臓物、頭、骨。そして血まみれの絨毯。ここにきて初めて思った。この大きなダストボックスの有難さを。投げ込むだけで終わるので片付けは重量こそはあったものの、かなり楽だった。 裕二は取り分けた肉を冷蔵庫に入れる。今から食べる分に関してはキッチンで水に浸けた。これで抜き残った血が少しは抜けるだろうか?まあ、今は食べられれば何でもいい。多少の不手際は気にしていられない。 裕二が作業の終了を告げると、皆がダストボックスのある部屋の床を掃除する。大量にある使用済みのバスタオルを使って床を拭く。他人の使用したバスタオルを触るのには抵抗があったが、そうも言っていられない。放っておけばその内腐敗して悪臭を漂わせるであろう。血を拭いたバスタオルはそのままダストボックスへと投げ捨てられた。
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