785人が本棚に入れています
本棚に追加
/377ページ
「それよりこれ。バイトで蓮くんが夕飯食べに来れない時は持ってってあげな、って母さんが」
「おばちゃん、そんな気遣ってくんなくてもいいのに」
と言いつつ奏汰から、盛られたおかずにラップがかけられた皿を受け取る。
「うちにご飯食べに来なよ」と言う奏汰に甘えて、今週から、バイトが無い日に俺は中谷家の夕飯をご馳走になる運びとなっていた。
奏汰の姉の音々とは同い歳の幼なじみだったこともあり、ガキの頃からおばちゃんにはしょっちゅうお世話になっている。
音々が家を出てからは挨拶をする程度だったけど、俺が夕飯を食べに行くことにもすごく喜んでくれてるみたいだし・・・。
つくづく思うけど、中谷家の人間は俺を甘やかしてくれる。音々は小さい時から俺のボディガードだったし、おばちゃんは自分の子供のように接してくれる。奏汰は最近まで関わりは無かったけど、突然の無謀な頼みも二つ返事で引き受けてくれた。(つーか無理矢理だったけど)
「明日、楽しみだね」
明日・・・毎週日曜は、俺が頼んだ『開発』の日だと約束している。
最初のコメントを投稿しよう!