ストーカーは突然に

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「蓮くん、おはよ!」 「ん・・・・・・・・・、は・・・、は!?」 目覚めると、ニコニコな奏汰が一番に視界に入って来て、俺は驚きと少しの恐怖で布団の中で固まってしまう。 「おまっ、おま、どうやって家に入った!?」 「へ? 合鍵。蓮くん、昔よく鍵失くしてたでしょ。だからいざという時の為におばさんがうちに合鍵一本預けてたんだよ。知らないの?」 「あ・・・」 そういえばそんな記憶も・・・だからってそんなん小学生の頃の話だし、それ、俺も親も絶対忘れてるやつ! 「母さんが今朝 鍵のこと急に思い出して、もう家に置いておく必要ないだろうからって。何回もピンポン押したのに蓮くん出てこないんだもん」 「お前な、こういうのを不法侵入って言うんだぞ」 「姉ちゃんは勝手に入ってたじゃん。蓮くんだってうちに勝手に出入りしてたでしょ」 「ガキの頃の話だろ!」 「今でも僕は蓮くんよりもガキです~」 唇を尖らせて白目を剥き出して、俺をからかうような変顔を作る奏汰。 むっかぁ~・・・何こいつ腹立つわ。 こいつ、たまにすっげぇ可愛げもクソも無い時あるよな。 陰キャだったくせに無駄に顔が良いのもなんかムカつくし。 「そーかよ。ありがとな、わざわざ鍵返しに来てくれて。俺まだ寝たいからオヤスミ。気をつけて帰れよガキんちょ、すぐそこだけどな!」 布団を頭から被り、ダンゴムシみたいに丸まって再び目を閉じる。 「え~、本当にもう開発しなくていいの?」 奏汰に言われて一瞬躊躇したけど、幼なじみの弟で可愛がってくれてる向かいのおばちゃんの息子で、と改めて考えたらこれ以上奏汰に汚れ役を押し付ける訳にはいかない、と思った。
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