ストーカーは突然に

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「もういい。自分でする。・・・つーか、俺が男好きってこと誰かに言うなよ。言ったらマジで駅前で素っ裸にしてやるからな。彼女の前でだぞ!」 幼稚な脅し文句しか浮かばないけど、俺がゲイだってバレたら困る。一人っ子だし、大学出たら親の会計事務所に入ることんなってるし、俺のせいで事務所の評判落ちたらぜってー嫌だし。 「言うわけないじゃん。僕だって蓮くんのお尻ほじったの誰にも言えないし」 「当たり前だ! 誰にも言うなよ!」 「・・・・・・」 急に布団の外が静かになる。 もしかして帰った? 目の下まで布団を下げると、部屋を見渡して確認するまでもなく奏汰フェイスのドアップが目の前にあった。 「まだいんのかよ!?」 「いるよ。納得できない」 知らん! 「僕ね、RPGは攻略を読んで余すとこなく堪能したいタイプなんだ。どんなに面倒くさくても、そうしないと気が済まない」 知らん!! 「だから、蓮くんが面倒くさい処女でも、一度手をつけちゃったからどうしても自分の手で開発して攻略して立派なビッチに仕上げたいんだ」 ・・・知らん。俺はビッチになるつもりはない。 ただ、結城さんを落とすためにはバックバージンを捨て、女じゃなくてもセックスで気持ち良くなれるって彼に思わせられるくらいにはなりたい。あの上っ面の優しさが、俺を妬む視線が、別のものに変わる瞬間を見てみたい。 「ねえ、蓮くん」 モゾモゾと布団の中へ入って来た奏汰の手が股間に当たり、腰の辺りに ぞわり とした感覚が走る。 「硬いね、朝勃ち?」 「かってに、さわってんじゃ・・・ねぇ」 服の上から亀頭を撫でられる刺激が強くて、低血圧の俺はすぐに体が拒絶態勢に入れなくて、奏汰の手の動きに翻弄されてしまう。 女の小さな手に触られても大して気持ち良くなかったのに、自分のより大きな男の手で触られるのがこんなにも気持ちイイなんて。
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