ストーカーは突然に

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でも奏汰とこんな事をするのはもうやめなければ。 机の引き出しに入ってた『おねがいききます券』を見つけて、切羽詰まってつい勢いで「尻を開発しろ」なんて頼んでしまったけど、こいつには彼女もいてノーマルで・・・明らかに俺が利用してるのも気付かないし。 「奏汰、マジでもうやめよ。お前に頼んだの間違いだったわ。他にもアテあるし、もう俺のことは気にすんな」 他にアテなんて無い。ある訳ない。自分が男を好きだって誰にも言えるはずが無い。 本当は結城さんを誘えるなんて思ってもない。抱かれたいって願望だけで、俺がどれだけケツを開発しようが万が一にも男を誘惑できる魅力を身につけようが、そんなの叶わない事だってわかってるから。 一生このままでも仕方ないって思ってる。 「・・・アテ、ってどういう意味? 僕以外にも、蓮くんは男が好きでお尻を開発したいって思ってるの、知ってる人がいるってこと?」 低く重い奏汰の声。 『他にもそういう奴がいんのに僕に頼むことないじゃん、気持ち悪い』 そう思ってんだろうな。 「まあ、そんな感じ。ごめんな」 幼なじみの弟に不快な思いさせて。 朝勃ちの股間に触れる手から逃れるように、布団の中で体を転がし奏汰に背を向ける。
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