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「ダメだよ今更。蓮くんの開発係は僕なんだから」
「は? お前何言ってんの、せっかく解放してやろーと思ってんのに。・・・てか何してんだよ」
布団へ入って来た奏汰が背中にくっつき抱きついてくる。
自分より大きくて逞しい体に包まれたのが初めてで、こんな風に抱きしめられたかったんだ、とマイノリティに従順な本能が喜びを覚える。
心臓がドクドクと脈打ち体が熱くなって、不可抗力だとわかっていても、恋だと勘違いしてしまいそうなくらいドキドキしてしまう。
「彼女以外をだっ、だきしめたりすんのは、立派な浮気、だとおもっ、思う!」
何を言ってんだ俺は。
奏汰にとって男を抱きしめるのは浮気でも何でもないだろ。
「僕がユカちゃんと別れたら、蓮くんのお尻、他の人に頼んだりしない?」
「は・・・? な、に言ってんのお前。彼女と俺のケツなんて天秤にかけるまでもないだろーが。だいたい、そういう問題じゃない」
「・・・」
無言になる奏汰の腕を解こうとしたけど、脚で下半身までガッチリとホールドされて、逆に身動き出来なくなってしまう俺。
クソ。絶対俺の方が普段から体動かしてるはずなのに、元根暗メガネの方がガタイが良くて力があるなんて世の中は不公平だ。
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