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セックスしろとは言ったけど、奏汰となんてできるわけない。
いや、奏汰にそういう経験が少なくてもし女に慣れていないならできるかもって、抱いてくれるかもって思ってた。
幼なじみの弟だけど関わりなんて希薄だったし、大人しそうでボッチで都合がいいと思った。
奏汰が懐いてきて、おばちゃんにも親切にしてもらって、罪悪感のほうが大きくなった。
だから・・・
「もうやめるって言ってんだろ!」
俺は煩悩を振り払って奏汰を思いっきり突き飛ばす。
ベッドから落ちた奏汰はゴロンと転がりうつ伏せになって動かなくなる。
「か、奏汰・・・だいじょぶか? 悪い、つい力が・・・」
頭打った!? やべぇっ!
「蓮くん」
良かった。生きてた。
「付き合ってください」
ん?
なんて?
「ユカちゃんに浮気されたことより、蓮くんとエッチなことできなくなるほうがショックだよ、僕」
「ゴメンナサイ、ムリ」
「なんでっ!? 僕ユカちゃんと別れるし、蓮くんは男が好きだしなんの問題もないじゃん!」
何でもクソもねえだろ。何言ってんのこいつ。
ベッドから落ちた衝撃で脳みそイカレちゃった・・・?
「だいたい俺、お前のこと好きじゃない」
「正論! 蓮くん、先輩が好きなんだもんね!そりゃ付き合えないよね!」
わかってんなら気を狂れさせてんじゃねーよ。
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