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「誰もいないみたい。静かなもんだよ、日曜の朝! って感じ」
「あ、そう・・・」
風景の感想は別にいらねぇけどな。
「どうする? いちお警察に届ける?」
「落し物じゃねーだろ。届けるかバカ捨てとけ。んで手洗って来いよ」
うん、と言って水入りコンドームをゴミ箱に落とした奏汰は部屋を出て行く。
嫌がらせ・・・? 俺に、だよな。
ふと最近何となく感じていた視線を思い出す。
誰かに恨まれているんだろうか。
う~ん・・・、この前誘いを断ったジムの会員さん? それともその前の?
まさか一度きりの体の関係を持った女のうちの誰か? あー、俺男のくせにマグロだとかボロクソ言われたもんな。しゃーねぇだろ、女とヤるより男にヤられたい願望あったんだから。
つーか今まで告白を断ってきた女たち?
思い当たる節があり過ぎる。わかんねぇ!
俺は犯人が女だと無意識に決めつけていた。コンドームの中身が精液ではないことで確信を持っていた。
その考えの甘さが、後の自分を苦しめる事になる。
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