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「えと、鍵を・・・」
「そういや返してもらってねーな。悪い、そこ置いといて」
そう言うんだろうなってのも想定済みだ。
「返してあげるから、泊まらせてよ」
「はあ?どーゆー条件だよ」
「嫌ならいいよ。スペアいっぱい作って、何回蓮くんに取り上げられようが めげずに不法侵入してやるから」
「堂々と犯罪宣言すんじゃねぇ」
「じゃあいい?」
「・・・・・・・・・・・・」
返事が無い。
「蓮くん?」
「・・・どーせダメっつってもまた勝手に入ってくんだろ。好きにしろ」
やった!
「そのかわりっ!」
バンッ と大きな音を立てて浴室のドアが開く。
「今日はもう、開発、は ナシだからな!先 部屋行ってろ!」
腰にタオルを巻いた蓮くんに脱衣場を追い出されてしまう。
むう。
あわよくばの下心を見抜かれたか・・・。
まあいいか。とりあえずは蓮くんのそばにいれるだけで。
暗い廊下の壁を手探りし階段の照明スイッチをONにして2階へと上がる。
明かりをつけずにベランダへ出て辺りを見回すけど、特に人影は無い。少しだけホッとする自分。
角度的にここからも僕の部屋は見えないな、やっぱり。もし蓮くんのこの部屋が自宅から見える位置だったら、ずっと見張っていれば犯人が分かるかもしれないのに・・・。
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