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登校してすぐにユカちゃんに別れを告げると、待った無しのビンタを頬に打ち込まれてしまった。引き攣った笑顔で「デカいだけのマグロなんてこっちから願い下げだから」と言われて・・・。
学年カースト上位に成り上がった僕に『巨根マグロ』というあだ名がついてしまった。
皆がクスクスと笑う中、
「気にする事ないよ。ユカの男癖が悪いのはみんな知ってるし、少し痛い目見た方がいいんだよ、あの女は。中谷に同情したりスカッとした奴らも中にはいるから」
優しい言葉を掛けてくれたのは、カースト最上位の前田くん。
アイドルみたいにキラキラしてて家はお金持ちっていう噂で生徒会長で更には優しい、って前田くんはどんだけ前世で徳を積んだんだろう。
「ありがとう前田くん。でも女の子に恥をかかせちゃったから、このくらいの罰は受けないと。今までと違って注目される事になっちゃって戸惑ってはいるけど」
「はは。まあマグロはちょっとアレだけど、巨根は自慢していいとこなんじゃん? 今度見せてよ」
「別に普通だよ。あはは」
前世で徳を積んだ前田くんは、僕が目立たなかった頃からちょくちょく声をかけてくれるイイ奴だ。こんなふうになれたら、僕も蓮くんに好かれるかもしれないのに。
これでまた僕は最下層組に転落するんだろう。別に構わない。できればもうそっとしておいて欲しいし、人に注目されるのは苦手だし。
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