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side 朔
風呂上がりでほこほこと暖かい体をくっ付けてくる華澄
今日は俺の家に華澄が泊まりに来ていて、パジャマを忘れてしまった華澄に俺の服を貸した
服を着る時の華澄はどこか照れくさそうで、そんな華澄の髪を拭いていると押し倒しそうになってしまう
カチリとドライヤーのスイッチを押して温風を出す
細くやわっこい華澄の髪を乾かしていると、ぐらぐらと不規則に華澄が揺れ始めた
体が温まるとすぐに眠たくなってしまう華澄
乾かし終わった華澄の髪の匂いをすん、と嗅いでしまう
いつも通りシャンプーのいい匂いがして無意識に口角が上がる
「眠いか?」
「ん…」
「今日はしない?」
ぱちりと目を開いた華澄がおずおずと見上げてくるが、その顔は真っ赤だ
のそりと立ち上がった華澄がベッドに座っていた俺の膝へと乗ってくる
華澄の腰に手を回して体を密着させると、熱くなった手を俺の頬へと持ってきた
そのまま顔を近付けてお互いの唇をくっつけると、ふわりと華澄のフェロモンが甘く香ってきた
初めは啄むような一瞬のキスで、それから少しずつ深く長くしていく
段々と華澄の声が漏れてきて、頬にあったはずの手が首へと回ってきた
するりと服の裾から手を滑り込ませて背中を撫でたり、横腹を指でなぞる
華澄は腰が弱いから、腰を触るといつも甘い声を漏らす
「ンむ、ァ、ふ」
「まだ眠いか?」
「んん…ねむくない。から」
「する?」
「…する」
今日も俺の番が可愛い
side 圭吾
凜旺が泊まりに来ている
まだ少し夢に出てしまう様で、夜が怖いらしい
俺が凜旺から離れることなんて、そんな事一生無いのに
そう伝えると、凜旺は決まって眉を下げて笑うんだ
凜旺には言葉で言ってもきちんと伝わらないことが多い
だから
「凜旺、好きだよ」
「ん、ん、は、あぅ」
「照れた?」
「ん、すき、おれ、も」
ゆっくりゆっくり、直接脳へと伝えたくて
考えさせる暇は与えない
不安で怖くて泣いてしまうなら、それを上回るくらい笑わせてやる
肌を火照らせている凜旺の口へとキスをすると、力の入らない腕で俺の頬を撫でた
「まだ、不安か?」
「大丈夫」
「我慢するなよ」
「してないし。してたら泊まりに来てない」
「そっか」
体に力を入れることが出来ない凜旺を抱えて風呂場へと連れていき、体を洗ったあと湯船へと浸かる
薄く傷痕が残る凜旺の皮膚にキスを落としていると、凜旺が俺の指を噛んだ
左手の、薬指を
「いて」
「予約しとく」
「予約、ね。じゃあ俺もする。手、貸して」
「ん」
カシリと凜旺の指を噛むと、凜旺のフェロモンが少し匂ってきた
凜旺は束縛されるのが好きみたいで、今みたいに俺が少しでも独占欲を見せるとフェロモンを出す
そんなところも可愛い
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