1章【ー友情ー】

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 もう和也は望とその桜井についての話は知っているのだが、こう話の流れからして聞いてみてしまった事だ。  そして、望は空を眺めながらボソリと口にする。 「告られただけだ……」 「……!?」  その望の言葉に和也は言葉を一瞬詰まらせる。 そう簡単に望がその事について和也に言ってくれるとは思ってくれなかったからであろう。 「こ、告られた!? って、アイツにか!?」  一応、和也は驚いてみるものの、完璧に今の2人の状況を知っているのだから完全な演技でもある。  そう現実には和也は、望がその桜井に告白をされている所も聞いていたのだから。  いや、確かに自分は望に向かって相談には乗ってやるとも言ったのだが、実際こう聞いてしまうとショックは大きいのかもしれない。  和也は望の事が好きだ。  だけど、友達みたいな関係で仕事場では一緒に働いているのだから望との関係を崩したくはなかったから今まで望には告白するのを黙っていた。 だから、今回の事で和也は胸が締め付けられる思いなのかもしれない。  数日前に入院して来た桜井が先に告白されてしまった。  そう和也からしてみたら、こうも簡単に告白されたという気持ちなんだろう。  告白について和也の方は悩みに悩んでいたのに、桜井に告白されてしまった。 そんな和也の心は全くもって穏やかでは無い筈だ。
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