1章【ー友情ー】

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顔の方も医者という職業柄勉強で明け暮れたからなのであろうか、縁なし眼鏡を掛けている。 年は28歳とまだまだ医者としては若い方だ。望の性格は見るからにして真面目だ。 そして、望と一緒にコンビを組んでいて人気があるのが、梅沢和也(ウメザワ カズヤ)だ。身長の方は望より若干高め、眼鏡はなし、そして、性格の方は望とは正反対な性格で明るく面白い、だから、望と同様に人気があるのかもしれない。 ーーーーーーーーーーー ある日の夜中。 今まで静かに過ごしていた病院が慌ただしく動き始める。 まもなく、この病院に緊急の患者が運ばれて来るという連絡が救急から入ったからだ。 医者や看護師達が患者さんの受け入れ体勢を整えた頃、遠くの方からサイレンの音が響き渡り、その音と共に救急車が段々と望が働く病院へと近付いて来る。 そして、サイレンが鳴り止んだと同時に救急車の中からはある男性が病院内へと運ばれて来た。 今時間に入って来る患者というのは重傷者が多い。 今まで穏やかな1日が終わろうとしていたのだが、一気に緊張感が高まる。 今回運ばれて来た患者さんは、どうやら、消防士さんのようで、消防士の制服を身につけていた。 現場で、消火活動に当たっていた際に怪我をして運ばれて来たらしい。 「患者さんの容態は?」 そう今日、当直だった望は救急隊員へと事情を聞いてみた。 「火事場の現場において、木造のアパートの2階にて消火活動をしていた際に脆くなっていた床が崩落して1階へと落ちたらしいです」
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