二章 還らざるときを想って

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 一番大切なのは、きっと、自分の心のありようだ。  なにかを変えたいと思うなら、まずは自分が変わらないと。  大学で知り合った女の子三人に、緊張しつつ、『今度一緒に遊ぼう』とメッセージを打つ。何度も文面がおかしくないか確認して、「えいっ」と送信した。  メッセージ一つ送るだけなのに、なんだかどっと疲れてしまった。けれど少しだけ、自分をほめてあげたいような気分だ。 「よし、私もお風呂入ろう!」  立ち上がったところで、スマートフォンが鳴る。返ってきたメッセージを見て、思わず笑顔になった。 『いいね! いつにする?』
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