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※※※
「ん…もう、朝…?」
ベッドの上の桜也は、うっすらと目を開ける。
目をしばたかせ、ぼうっとまわりを見渡し、いきなりばっと体を起こした。
「え、え…⁉」
自分の置かれている状況がつかめず、桜也は混乱している。悠々と椅子に腰かけている真雪を見つけ、困惑しながら問う。
「…真雪、ここ、どこ…?」
自分の体を見下ろし、桜也は息をのんだ。
「…な、んでおれ、裸なの…? おれの服は…?
これ、いったいどういう事⁉」
真雪は混乱する桜也に向かって、にこやかに笑ってみせる。
「桜也、なにも心配しなくていいからね。
僕が君を守ってあげる。一生、ここで」
その笑顔は天使のように純粋で、悪魔のように歪んでいた。この状況下での笑顔に狂気を感じたのか、桜也は飛びのく。
「う、うわああああっ!」
桜也は悲鳴をあげてベッドから転がり落ち、壁を這うようにして逃げまとった。
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