♯4 練習曲〝憧憬〟

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「…ま、ゆき…それって、どういう…」  真雪はふくみ笑いをして、桜也に顔を近づけた。  唇にキスしようとしたが、桜也に拒否された。  かわりに桜也の首筋に口づけ、唇を滑らせていく。  脇に鼻をつっこんで匂いを嗅ぎ、胸筋を舐め、お腹まわりの筋肉を手のひらでなでまわす。 「止めろよ、なにやってんだよ、真雪!」  桜也は、両手をバタバタさせて抵抗する。  そのこぶしが真雪のあごや肩に命中するが、真雪は気にするそぶりも見せない。それどころか真雪の唇は、だんだん桜也の下半身へと降りていく。 「桜也。会社のことなんか忘れちゃうくらい、気持ちよくしてあげるから…」  桜也の縮こまった性器にほおずりし、ためらいもなく口に含む。 「いっ…⁉」  嫌悪感で眉をひそめた桜也には構わず、真雪は口淫を続ける。  桜也にはかつて、お付き合いしていた女性がいたらしい。仕事が激務すぎてフラれたと聞いたが、交際期間中にはそういう行為をすることもあっただろう。  だが、例えフェラチオしてくれたとしても、普通の女性なら、男性のものを咥えて上下に擦るくらいが関の山だ。もちろん気持ちいいのは確かだが、それでは物足りない。  男だからこそ分かるツボというものがあるのだ。
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