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「カラオケとかで練習したもんな。流石にあの頃よりかはなぁ」
ケラケラと笑う七海に、みなこは頬を膨らませる。事実だから仕方ないが、小馬鹿にされるのは癪にさわるのだ。
「にしても人数集めるのは確かに難しいかもなぁ。この学校そこまで人数も多くないし」
ひと学年四クラス。全校生徒は五百人もいないはずだ。みんな入りたい部活はあるだろうし、新設するのは中々に難しく思えた。
「そうやなぁ。あ、でも奏、ジャズ研がどうとか言ってなかった?」
「あー軽音部はないけど、ジャズ研ならあるって言ってたな」
二人の視線が、すっと奏の方を向く。同時に見られたことが恥ずかしかったのか、少し頬を染め奏がコクリと頷いた。
「私はジャズ研に入りたくて。二人が軽音部の話をしてたから、楽器をやりたいのかなって」
「奏ちゃんはジャズ研に入りたいってことは、なにか楽器やってるん?」
「小学生の時からベースをやってるよ」
「おぉ、小学校の時から! ってことはかなりのキャリア!」
「キャリアっていうのは大げさだけど、もう七年くらいかな」
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