2話「ジャズ研」

6/8
前へ
/1504ページ
次へ
「カラオケとかで練習したもんな。流石にあの頃よりかはなぁ」  ケラケラと笑う七海に、みなこは頬を膨らませる。事実だから仕方ないが、小馬鹿にされるのは癪にさわるのだ。 「にしても人数集めるのは確かに難しいかもなぁ。この学校そこまで人数も多くないし」  ひと学年四クラス。全校生徒は五百人もいないはずだ。みんな入りたい部活はあるだろうし、新設するのは中々に難しく思えた。 「そうやなぁ。あ、でも奏、ジャズ研がどうとか言ってなかった?」 「あー軽音部はないけど、ジャズ研ならあるって言ってたな」    二人の視線が、すっと奏の方を向く。同時に見られたことが恥ずかしかったのか、少し頬を染め奏がコクリと頷いた。 「私はジャズ研に入りたくて。二人が軽音部の話をしてたから、楽器をやりたいのかなって」 「奏ちゃんはジャズ研に入りたいってことは、なにか楽器やってるん?」 「小学生の時からベースをやってるよ」 「おぉ、小学校の時から! ってことはかなりのキャリア!」 「キャリアっていうのは大げさだけど、もう七年くらいかな」
/1504ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加