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目を細めるみなこに、航平は肩をすくめる。ギスギスする二人のことなどつゆ知らず、七海は無邪気に話題を変えた。
「そういや、高橋はまたサッカー部に入るつもりなん?」
「いや、サッカー部は人数そこまで多くないし、大会目指して頑張ってるっていうよりも仲良くやってるみたいな空気らしいから、高校は別の部活に入ろうかなって」
「へぇ。なんか別のスポーツ?」
「いや、ジャズ研とかええかもって」
航平の口から思いがけない部活名が飛び出し、みなこは目を見開く。
「は? なんでジャズ研」
「別にええやろ。俺がなんの部活入ったって」
「そ、そうやけど」
「みなここそ、軽音部に入ってバンド組むんや、って中学の頃に大西と言ってたけど、どうするつもりなん? うちの学校軽音部ないやろ?」
「なんで航平、私らが軽音部に入りたがってんの知ってんの?」
仲のいい友人に話したことはあるが、クラス中に言いふらしていたわけではない。どうして別クラスの航平が知っているのか。七海は何も考えないタチだが、そういう約束事を簡単に言いふらす性格ではない。
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