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一緒にいるこっちが恥ずかしくなってしまいそうだ。少なくとも注目の的になることは間違いない。他人に見られているということを佳奈は意識していないのだろうか。「ええやん、井垣さんに似合いそう」とめぐが横から口を挟んできた。
「めぐ、そそのかしたらあかんで」
「別にそそのかしてないけど? 似合うと思ってるのは本当」
「そりゃ、似合うかもしれんけどさ……。めぐは決めたん?」
「うーん。私はまだ決めかねてる」
めぐの近くには何着も水着が並べられていた。デザインは決まっているようだが、色を決めかねているらしい。オフショルダーの可愛らしいデザインのものだ。めぐが悩んでいるのを見て、佳奈は「試着してくる」と言って、奥へと消えて行った。
「奏も井垣さんが持ってたやつみたいなのがええんちゃう?」
めぐの提案に頬を赤らめた奏が首を横に振る。
「恥ずかしいよ。井垣さんみたいにスタイルがよければかっこいいだろうけど」
「奏だってスタイルええやん。私らの中なら一番背高いし」
「背だけじゃなくて、ほら」
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