8話「水着」

12/12
前へ
/1504ページ
次へ
 周りに人がいる恥ずかしさのせいで、みなこの下げた頭はそれほど深くなかった。約束をしてしまった。もう逃げ出すわけにはいかない。 「それじゃ、この間くらいの時間にしようか。それなら、他に人もおらんやろうし」 「わかりました」  どうやって奏のことを聞こうか。そんな明後日の心配よりも、直後に「なんの話?」と訊ねてくるだろう七海への良い言い訳をみなこは必死に考えていた。
/1504ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加