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「恥ずかしがることなんかないんやでー」
それは七海が決めることじゃない! そう言おうとしたやさき、廊下の掲示板に部活紹介のポスターが張り出されているのを見つけた。サッカー部、野球部、バレー部などの体育会系の部活を中心に、漫研や美術部、吹奏楽部など文化系の部活のポスターも掲示されている。みなこが視線を掲示板に向けたことに気づいた七海もこちらを向き、無意識的な声を出した。
「やっぱ美術部のポスターって凝ってんなぁ」
「そうやな。漫研も可愛いキャラクター描いてあるで」
「ほんまや! ってちゃうやろみなこ! うちらのお目当ての部活のポスターは?」
「そっか、えーっと」
――バンドを組もう。
そう七海と約束したのは中学二年の夏。何がきっかけだったのか、七海の突然の思いつきだった。飽きっぽい彼女の性格もあり、始めはみなこも聞き流していたのだが、その熱心さと情熱に負け、バンドを組むことを承諾した。それから親にねだって買ってもらったギター。七海は電子ドラムセット。高校生になったら軽音部に入ろう。そう約束し、二人で練習を重ねてきたのだ。
「あれどこやろ。軽音部のポスターある?」
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