「エピローグ」

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 準備室内の話し声に遠慮したのか、囁くような声が聞こえて、みなこは振り返る。そこには、おずおずとめぐが顔を覗かせていた。 「お、来た来た。将来の部長さん!」 「やめてください、そんな言い方」  へへっと笑う里帆に、めぐは頬を膨れさせる。こうして呼び出されたのは、杏奈のことを話すためではなく、役職について話があるからだった。その全容は容易に想像できた。 「やっぱり、めぐちゃんが学年リーダーですか?」 「そうやで。そんで、清瀬ちゃんが書記」  つまるところ、何もなければ、再来年にはめぐが部長で自分が副部長になる。めぐは適任だと思うが、自分が副部長というのは如何なものか。 「どうして私なんですか?」 「これだけ暗躍しておいて、謙遜はないやろ」 「暗躍はしてないですよ」  何のことか分からないめぐが可愛らしい素振りで首を傾げる。その空気感がおかしかったのか、ケラケラと里帆が声を出した。 「実際に稼働するのは、大会が終わったあと、再来月の新体制になってからやから。そうなると、二人はジャズ研のナンバースリー、とナンバーフォー。よろしく頼むで」 「えっ」
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