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二人して納得したけど、上手く丸め込まれた気がする。今はまだどんな音楽がしたいか、どんな部活にしたいか、なんて分からない。けど、それを模索しろということなのだろう。
「さて、明日からは大会の練習やな。今日は本当にお疲れ様」
そう言って、里帆はぐっと身体を伸ばした。大きなあくびを噛み殺しながら、恥ずかしそうにはにかむ。沈む夕陽がその笑みを照らしていた。
選ばれたことに不安はある。みんなをまとめられるだろうか、後輩に上手く接することが出来るだろうか。だけど、少なくともまだ先輩たちが自分たちを引っ張ってくれている。里帆が言うように、この一年間で答えを見つけ出せればいいのだ。今はただ、来たるジャパンスクールジャズフェスティバルで最優秀賞を取ることに集中しなくちゃいけない。
それはもちろん先輩たちの為に。みなこはひっそりと心に誓いを立てた。
『ブルーノート 第二楽章~特別な文化祭~ 完』
――――第三楽章へ続く。
12月頃、第三楽章連載再開予定。
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