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箸を手に取ったみちるは「頂きます」と言って手を合わせた。向かいに座った祖母も同じように手を合わせる。
「みちるはもうすぐ大会やんね?」
「そうやよ。全国大会!」
「頑張ってなぁ」
「うん。きっとお母さんも聴いてくれてると思うから」
みちるは前髪につけた赤いリボンをなでた。これは母がみちるのために買ってくれていたものだ。母がみちるに残してくれたものは数少ない。でも、ゼロじゃない。そう思えてから、みちるは寂しくはなくなった。
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