3話「スープ」

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 紺色のブレザーから覗く灰色のセーターを手の先まで伸ばして、杏奈は廊下へと駆けていく。ジュースを一気飲みすれば、そりゃ寒くなるはずだ。みなこは、手の中にずっとあったプルタブを開けて、コーンスープを口へと運ぶ。温くなってしまったスープは、ほんのりと甘く口の中をわずかに温めた。
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