4話「曲目」

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「おっ! しっかり考えてくれてるんやね。さすがジャズ研のナンバーフォー!」 「まだナンバーフォーじゃないですよ」 「今は、二年生がおらんから。みなこちゃんがナンバーフォーなんよ」  学年ではなく役職だけで考えれば、そういうことになるのかもしれないけど。その場にいるメンバーだけが反映されるなら、保育園の演奏会に行く時は、自分は紛れもないナンバーツーになるらしい。みなこの背は少しだけシャッキと伸びた。 「どんな曲がいいと思いますか?」 「うーん。みんなが好きな曲を演奏すればいいと思うけど」 「去年も演奏会はあったんですよね?」 「そうやよ」  おそらく演奏会に行ったのは、今の二年生たちのはずだ。どういう曲目だったのか、事前に確認しておけばよかった。今頃、先輩たちは遠い空の向こうにいるはずだ。 「去年は、『さんぽ』や『アンパンマンのマーチ』とかを演奏してたみたいやよ」 「やっぱりそういうのがいいですよね」 「なるだけ、子どもたちが知ってる曲にした方がええかな。知らない曲やったら中々、集中して聴いてくれへんから」 「そうですよね」
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