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「おっ! しっかり考えてくれてるんやね。さすがジャズ研のナンバーフォー!」
「まだナンバーフォーじゃないですよ」
「今は、二年生がおらんから。みなこちゃんがナンバーフォーなんよ」
学年ではなく役職だけで考えれば、そういうことになるのかもしれないけど。その場にいるメンバーだけが反映されるなら、保育園の演奏会に行く時は、自分は紛れもないナンバーツーになるらしい。みなこの背は少しだけシャッキと伸びた。
「どんな曲がいいと思いますか?」
「うーん。みんなが好きな曲を演奏すればいいと思うけど」
「去年も演奏会はあったんですよね?」
「そうやよ」
おそらく演奏会に行ったのは、今の二年生たちのはずだ。どういう曲目だったのか、事前に確認しておけばよかった。今頃、先輩たちは遠い空の向こうにいるはずだ。
「去年は、『さんぽ』や『アンパンマンのマーチ』とかを演奏してたみたいやよ」
「やっぱりそういうのがいいですよね」
「なるだけ、子どもたちが知ってる曲にした方がええかな。知らない曲やったら中々、集中して聴いてくれへんから」
「そうですよね」
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