白紙の手紙

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「内容が無い手紙なんぞ送れるか」 と抗議していると、 「内容が無い?とんでもない!これは書きたいことが多すぎて何を書けばいいか分からないという想いが篭った手紙だろ〜?」 なんてお気楽な答えを返すもんだから、なんとなく当たってるのも癪なので一発軽く蹴っておいた。 「今日は暇なのか?」 俺のベッドに勝手に横になって背中に使うマッサージマシーンをコロコロと指で転がして尋ねられる。 確かに用事は無い。 だからこそ手紙なんて気まぐれを起こしたのだ。 「ああ。」と短く肯定するとソイツはこちらから見ても恥ずかしいくらい素直に喜んだ顔で、 「じゃあ、今日は俺に付き合ってよ!」と言うものだから俺は大人しく頷くことにした。
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