待ってるだけでも、考えているだけでも

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ーーー それから数時間後のことである。 ほかほかと唐揚げ定食の前に俺は座っていた。 「…食べないのかい?」 「いえ。いただきます…けど。」 そんな所詮の関係の俺と探偵は何故か近場のファミレスで2人ご飯を食べていた。 どうしてこうなったかというと、単純な話だ。 混んでて相席になった。 先に探偵さんが居て、そこに連れてこられたのだ。というか、探偵さんがファミレスに来ていて、それに相席を許すタイプだったとは、なんか意外だ。 「そんなに意外かい?僕が相席を許すのが。」 「え⁉︎いや、」 なんで分かった⁉︎なんて聞こうとして口を閉ざす。言われて通りの言葉を送るのがなんだか無性にイラついた。 「さあ、何故だろうね。」 「くっ…」 ダメだ。パターンが読まれてる…。 せめてもの反抗にじっと探偵さんの顔を睨む。 すると探偵さんは少しだけ声のトーンを上げて続けた。 「悪かったよ。キミのパターンは安直でね。つい読んでしまうんだ。」 「単純な人間で悪かったね。」 「おや、自覚ありかい?」 「探偵さん!」 「…冗談さ。」 ぐわぐわと頭が回されている。 やっぱこの人と居るとどうも自分のバカさをおっぴろげにされているようで落ち着かない。 「…で、なんでですか?」
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