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「いえ…。それならば目的もなく居残る理由はないでしょう?」
「というと?」
「貴方はここで食事をした。なら、終わって退屈ならば無意義な時間を過ごすことなく、帰宅やら他の場所に移動しているはずです。」
「ふむ。」
「それに…。混んでるのに相席の可能性がある2人席を選んだ…。俺から見て貴方は、人と共にいるのを好かないタイプだと思っています。」
「ふむ…それはやや主観的だな…。まあ、間違ってはいない。だが、気まぐれと返されればそれはファクターにはならないな。」
「う…。」
「いや、十分だ。そこで、それは"どうやって?"に移行する。」
「そ、そこから先は…」
「ああ。流石に素人に推理は求めないさ。今はファクター集めで十分だ。それに、謎を僕にぶつけたのもなかなかに面白かった。」
探偵さんは満足したように頼んだコーヒーをまた少し飲んだ。
「…あの。」
「ん?」
「その…結構、そうだったんですか?」
探偵さんは目をまたぱちりとして、ふっと柔らかな笑いを浮かべた。
「まあ、間違ってはないさ。僕はキミが来るのを知っていたし、キミと話すために今ここに居るのさ。そう、即ち、キミを待っていた。」
「な、なんで…」
「だから、猫の話をするためだと言っているだろう?同じことを言わせないでくれ。」
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