待ってるだけでも、考えているだけでも

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「…そうだった…」 「どうやって、というのは単純さ。偶然に気を任せたのさ。こればかりは、ファクターがなくてね。」 「?」 「キミが偶然にも腹を空かせてここに来て、偶然にも僕がそれを見つけて相席になるのを店員が聞きに来る…それを待ってたのさ。」 「そ、そんな無茶な…」 「無茶じゃないからここにキミが居るんだろう?」 それはそうだから言い返せないもののどうも引っかかる。 この人が言うからには何かもっと複雑な理由があるような気がする。 俺の悩んでいる顔を見て探偵さんはまた愉快そうに笑った。 「ふふ…だが、本当にキミとは話せてよかった。お陰で気になっていたことはすっきりした。」 「…探偵さんって猫が好きなんですか?」 「…今朝少し。一匹の猫が旅立ったものだからさ。野良だったのだが。わりかしと愛嬌があったものだからつい、絆されていたようだ。感情に流されるのは本意ではないのだがね。」 「…。」 「おっと。暗い話はランチには合わない。」 「もう食べ終わりましたよ。」 「おや、そうかい?」 全く味なんか分からなかった気がする。 ファミレスまで来たのにこれは損なのか特なのか分かりゃしない。 「じゃあ、僕もそろそろお暇しようかな。ああお代は僕持ちでいいよ。」 「え…」
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