世界を半分くれるなら、俺は魔王側につく。

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——「戦闘開始‼︎」 その声を聞いて俺は走り出した。 大勢が攻撃の構えをした途端、金色のそれを木の棒でぶん殴る。 ぽへん、と間抜けな音がして金色のそれは煙を出しながら消滅した。 「へ…?」 周りの大勢はぽかんとして、異口同音に困惑の色を示した。 それでは逃げるとしよう。 それじゃアデューだ、パーティー(リア充)ども。 後ろから怒鳴り声が聞こえてすたこらさっさとその足を速めた。 とりあえず、"すばやさ"がない俺でも街まで来れば分からないだろう。 人混みの中に入れば、モブなどただのモブ。 強盗や盗っ人みたいだ? ははは、なんとでも言いたまえ。 最弱で一発殴ったら消滅するが、経験値は凄まじく増える金色スライムを俺に取られたアイツらはどんな顔してるだろうか。 後ろから「どこだ」やら、「誰が」とか声がするけど、俺はそいつらに背を向けて口元を二へリと歪ませて笑った。 目の前の武器屋の店主が、「うわキモ」と逃げていったがまあそれはそれ。慣れている。 だが、これでは不審者なので俺は一言だけ元で言ってから、笑みをいつもの無愛想な顔に戻した。 経験値、美味かったですでは サヨウナラ。
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