待ってるだけでも、考えているだけでも

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いや、呆れられるだろうか。 ああいやそれともまた喜んでくれるかな? 次に会うときが楽しみだ。 そう、待ってるだけでも… 「あ。」 ふと、パチリとピースが当てはまった。 謎の答えを見つけたのかもしれない。 「あー…」 それはそうと、自覚してもまだ"楽しみ"だ。 「この推理を聞いたら、どんな反応するんだろうな。」 探偵さんは待っていたんだろう。 俺と話すのを心待ちにして、1人で黙って食後のコーヒーを飲みながら。 朝に亡くなってしまった猫を見たから。…小さな命の尊さを噛みしめるようにと俺に言うために。 たったそれだけのために。 ねぉねぉ。とクロが鳴く。 小さな命を撫でながら「おやすみ」と言う。 次は、探偵さんにいつ会えるんだろうな。 楽しみだ。 そう、きっと探偵さんも"そう"だった。 ———楽しかったんだ。俺のことを、 待ってるだけでも、考えているだけでも。
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