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ある放課後のこと。
「…おーい、来栖?生きてるか…?」
「…吐きそう…」
顔を真っ青にしてうずくまる来栖の背中をさする。
なんてことはない、"いつものこと"だ。
「…で、今回も告白された瞬間に卒倒したと。」
「…面目ない…」
「気にすんなって〜、俺でも泡吹いて倒れると思うからさ。」
…いやまあ流石に倒れるまではいかないけど。
けれど恋愛恐怖症というのは思った以上に厄介なんだなと思うよ。
「…もう、大丈夫だ…落ち着いた。」
「ああ、そう?ならよかった。」
背中をさする手を離すと、来栖は机にもたれたまま大きなため息を吐いた。
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