プロローグ

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プロローグ

 カヤが牡丹屋に入ったのは七つのときだった。実家のことはほとんど覚えていない。親に売られたということは幼いながらに理解できたので、もしかしたら自分を売った親を意識的に忘れようとして忘れたのかもしれない。なのでこの遊女屋・牡丹屋がカヤの家であり、家族であった。
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