転換者

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転換者

 やぁ。 この小説を読もうとしてくれてありがとう。これからキミたちにある物語を紹介しよう。                              その世界には「転換者」《てんかんしゃ》と呼ばれる人間と「妖怪」と「鬼」と「妖鬼」《ようき》それから「普通の人間」がいたんだ。転換者とは生まれつき性別が変わる人間のことをいう。とても人数が少なく、転換者にはそれぞれ特別な能力が宿っている。妖怪というのは昔から伝わる「ろくろ首」や「のっぺらぼう」などのことである。妖鬼とは妖怪が鬼を取り込んでいる状態のことで、妖怪や鬼よりはるかに強い。 しかし、妖怪、鬼、妖鬼には共通の弱点がある。それは、[心の鎖] を斬られること。妖怪、鬼、妖鬼は元々人間や動物で、死んでもなお強い怨念が残って、形になったもの。 なので心と体[心の鎖]を離してやることで、成仏させて倒すことができる。 おっと、長々と説明してしまったね。今から話すのはそんな世界で生きるある一人の転換者の話。
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