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宿泊学習
「…」
のんちゃんと2人きりにされた。困ったな。
尚巳は、夏休みにのんちゃんと遊べなかったらしく、尚巳と最近頻繁に家に行く。のんちゃんは塾ないのか?
「冬くん、なおみーのこと聞いていい?」
「え、うん」
尚巳は電話がかかってきたのでしゃべってる。相手は母親らしい。そういえば、尚巳のお兄さんは、にーちゃんと話したかな?友達らしいから。
「なおみー学校楽しそう?」
「普通」
「よかった。勉強苦手だから、どうかなって思ってて。中学では勉強ばっかりだから、なおみーは辛くないかなって」
「大丈夫。赤でも出席率いいから卒業できるよ」
これはトラジから聞いた。
「そうなの?あ、なおみーがね、テスト勉強しないで冬くんと遊んでたって言っててさ…もうやけなのかと」
「いや、俺が誘った。せっかく時間あるし遊びたいから」
「へー、冬くんはなおみーすごい好きだね」
「…まぁ、そう…かな」
そんな直球で言うのやめてー
「冬くんは勉強はいいの?」
「別に成績悪くてもいい。勉強は日常で使うくらいの、必要なのだけでいい」
「冬がなんか言ってるー」
尚巳は楽しそうに話しかけてきた。
「あれ電話もういいの?」
「うん!ママからでね、今撮影してるって」
「は?」
撮影ってなんだ?わかんね。
「ねーなおみー!冬くんなおみーのことすごい好きだね」
「そーかも。自分で言ってたし」
「…なんだその言い方」
「いいねぇ!冬くんおちょくって楽しそ」
「いや、楽しくはないでしょ」
「冬たのしーくせにー!」
うわ、くっついてきた。かわいいな…
「こ、こら、ベタベタすんな」
「冬くん、気にしなくていいよ?」
「は…?」
「ベタベタしたらいーよ、なおみーがそうしたいなら」
「冬ね、尚巳のことね、いーにおいって言って抱きつくよ」
「お、おい!やめろ!」
「仲良しだね~」
恥ずかしいから!
「仲良しだよね~冬」
「帰るぞ」
「えー?もおー?」
のんちゃん、俺は人前でそんなになれない。無理だ。
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