負に満ちた場所

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負に満ちた場所

俺は・・・目の前に広がる異様な光景を見ては、ただただ息を呑むしかなかった。 (………同じだ……あの時と…) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『な、何をしてらっしゃるんですか教授!』 「樹くん、コレさえ完成すれば人類は救われる…私はそう信じているのだよ」 『だ、だからってこの娘たち…貴方(あなた)の愛娘たちをその実験に使わなくったていいじゃないですか! お、奥様からも何か言ってやっ……!?』 (だ、駄目だ…完全に目がイっちまってる!) 橘教授は眠っている三人の愛娘たちに、薬を投与していく。 身体の大きさからして、長女と思われる女の子には、白いポピーが調合された薬を。 次に二女と思われる女の子には、黒百合(クロユリ)が調合された薬を。 そして、三女と思われる・・・まだ、生後間もなそうな女の子にはディモルフォセカが調合された薬を・・・。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 本当にそっくりだった。 あの時となんら変わらぬ、草花たちで覆い尽くされた、あの研究室と。
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